ポータブルスキルという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
その名のとおり、持ち運べる技術、つまり転職をしたり働き方を変えても通用するスキルのことです。
これからは、このポータブルスキルをもっていることが大切だと言われています。
そこで今回は、ポータブルスキルとはどんなものかについてご紹介します!
目次
どこにでも持っていける能力、ポータブルスキル
ポータブルスキルとは、厚生労働省が提唱しているもので「業種や職種が変わっても通用する、持ち出し可能な能力」と定義されています。
ミドル層(35歳〜55歳)の転職希望者が、円滑に転職活動を行えるようにという観点から定義されたもので、細かく可視化されています。
社内でしか通用しないのではなく、業種や職種を超えても同じように通用するこのスキルは、分かりやすい資格という形ではないものですが、ミドル層がこれまで社会経験を積む中で身につけきた能力です。
一朝一夕では身につかない、高いスキルなのです。
このスキルを言語化し、アピールすることができれば、転職活動でも有利に働くのです。
なぜポータブルスキルが必要なのか?
ポータブルスキルが重要視されるようになったのは、終身雇用制度が崩壊し、転職が当たり前の社会になったことが関わっています。
それまでの日本社会であれば、社内で通用するスキルさえあれば、終身雇用制度が守られていたため問題ありませんでした。
しかし、今や転職は当たり前の時代。
年功序列もなくなり、どこに行っても通用するスキルに注目が集まるようになりました。
また、ITの進化やグローバル化を背景に、これまで想定しなかった事業展開も各企業で次々と起こり、一年後には自分が想像もしなかった場所で思いもつかなかった仕事をしている可能性もあるような時代です。
一定程度の社会人経験を積んだ人は、経験した分野での専門知識や専門技術が身についていることが多く、それを武器にして転職活動に望むわけですが、それに加えてポータブルスキルを提示することで、さらに強い武器を持ったのと同様、有利に転職活動を運ぶことができるようになるのです。
ポータブルスキルの具体的な要素
ポータブルスキルには、大きく分けて2つの要素があります。
ひとつは、「仕事のし方」。
もうひとつは、「人との関わり方」。
以下で、詳しく見ていきましょう。
仕事のし方
仕事のし方では、課題を明らかにする・計画を立てる・実行するといった要素が求められます。
具体的には、現状把握のために情報収集し、それを分析すること。
そして課題を設定し、各種調整などを行い、計画を立てること。
その後、スケジュール管理や関係者への対応、突発時の対応などをしつつ実行に移していくこと。
こういった一連の業務が含まれます。
人との関わり方
人との関わり方では、社内対応・社外対応・部下マネジメントが求められます。
具体的には、与えられた役割として社内で仕事をすること。
部下の育成や評価を適切に行うこと。
クライアントとの関係を継続的に築くこと。
こういったスキルが含まれます。
上に挙げた項目は、資格として与えられる能力ではありません。
しかし、どんな業種でどんな仕事に就くとしても大切になるスキルです。
転職活動の際には、これらのスキルに自信を持てている人は大いにアピールできる能力なのです。
ポータブルスキルを身につけてどこでも通用する人材になろう
業種や職種が変わっても通用する能力、ポータブルスキル。
終身雇用制度が崩壊し、転職をすることが当たり前になった今の社会において、さらにはグローバルな働き方が身近になってきた今の時代、どこにいても通用する力は、必要不可欠なものです。
しかし、ある程度の社会人経験を積んだミドル層だからといって、すべての人に同程度のポータブルスキルが身についているかというと、一概にそうではありません。
これまで仕事をしてきた中での取り組み方や仕事に対する姿勢などが、スキルのあるなしに大きく関わってきます。
「自分はミドル層だけれど、ポータブルスキルが身についているとは言えないな」と感じる人は、今から変えていきましょう。
転職を希望するにしろ、今、自分の目の前にある仕事に真摯に向きあい取り組むことが大切です。
まとめ
いかがですか?
今回は、どこにいっても通用する能力であるポータブルスキルについてご紹介しました。
「転職するときにアピールする材料が自分にはないと思っていたけれど、これまでの自分の仕事を振り返ると、ポータブルスキルを生かして仕事をしていたことに気づいた」という人もいらっしゃるのではないでしょうか。
資格としては現れないけれど、立派な能力であるポータブルスキル。
ぜひ、自分のスキルを洗い出し、転職活動に役立ててくださいね!