1分で読める【教えて!モアイくん】癌になったらどうなる!?癌サバイバー本人が語る、癌と仕事とお金のリアル

今や日本人の2人に1人が癌になる時代です。

けれど皆、どこかで
こう思っています。
「まぁ、自分は大丈夫だろう」 

けれどその一方で
癌になったらどうなるのだろう
という不安を抱えている人も
いると思います。
 

そこで今回は
3年前に癌になり
それを克服した筆者が
癌と「仕事」と「お金」について
赤裸々に語ってみようと思います。
 

これから書くことは
あくまで個人的な思いであり
経験です。

癌になった人全てに
当てはまるとも
正解だとも思いません。

けれど、癌にならなければ
起こらなかった思いであり
行動であり、変化だったことは
確かです。

その意味で、癌に対して
漠然とした不安を持つ方にとって
1つのケーススタディには
なり得ると思います。
 

モアイ
確かに実際に癌になった人の話は気になるね

でしょう?()
では早速見ていきましょう。

癌は突然やって来る

3年前の夏
仕事でデスクワークをしている最中に
ふと下半身に違和感を覚えました。

それが、全ての始まりでした。

そうした違和感が
何度か続いたため
近所の泌尿器科に行ったところ
「腫瘍のようなものがある」
ということで
すぐに大学病院を紹介されました。
 

モアイ
んーいきなりヤバそうな展開…

しかし筆者は
この時点ではまだ
状況を楽観視、あるいは
あえて深刻に考えないように
していました。

ですから大学病院に行く朝
趣味で作っているプラモが
机の上に出しっぱなしなことに
気づいた時も
「帰ったら片せばいい」と思い
そのまま家を出ました。

しかし結果的に
筆者が次に家に帰れたのは
その朝から
2週間後のことでした。 

大学病院で精巣癌を告知され
即日手術、入院することに
なったからです。
 

モアイ
え!?いきなり?

筆者の場合は
いきなりでした。

しかし、癌を告知され
診察室を出て
自分がすぐにしたことは
呆然とするでも
落ち込むでもなく
スマホを取り出し
会社に電話することでした。

そう、自分は
家族より先に、会社へ

「しばらく休むことになります
申し訳ありません」

という電話をしていたのです。

癌を告知された
わずか
10分後くらいに。 

モアイ
……。

入院中も仕事が気になる

当時、筆者は小さな会社で
事務員をしていました。

自分の他に事務員は1人しかおらず
自分が長期休めば
どれだけ負担がかかるか
容易に想像がつきました。

社長は気にしなくて良いと
言ってくれましたが
会社のことは治療中も
ずっと気になっていました。

ですから、定期的に
まるで業務連絡のように
会社へ連絡を入れていました。

自分なりの
せめてもの罪滅ぼしのつもり
だったのです。
 

モアイ
いやいや、癌だよ?仕事は忘れて治療に専念すべきでしょ…

その通りなのですが
ずっと仕事中心で生きてきた為
なかなかそれができなかったのです。

だから社会人の皆さん
特に、仕事をバリバリこなしている
20代から50代の方
覚えておいてください。

仕事中心の生活を続けていると
哀しいかな、人は癌になってすら
自分の体より仕事を
気にしてしまうものです。

筆者は身をもって
そのことを知りました。
 

入院生活で価値観が変わる

仕事が気になるとはいっても
入院中は一歩も外へ出られません。

世間と切り離された
いわゆる癌病棟での
入院生活を送るうち
少しずつ自分の気持ちに
変化が生まれてきました。
 

癌病棟には
当然沢山の癌患者がいます。

普通に生活していたら
会うことも話すこともない人達です。

筆者より深刻な癌と
戦っている人もいました。

入院中は時間だけは
沢山あります。

身体がしんどくない時は
彼らと色んな話をしました。
 

抗がん剤治療も経験しました。

ここでは多くは語りませんが
怖かったし、苦しかったです。
 

そうした時間を過ごし
今まで忙しさにかまけ
ないがしろにしていた
自分の身体と心に向き合ううちに
1つの想いが生まれました。
 

「退院しても
また今まで通りの生活をするのか?
それで良いのか?」
 

モアイ
たしかに…癌は人生を見つめ直すきっかけになりそうだよね

こんな苦しい思いをして
先生達に命を救ってもらったのだから
これからは
自分が本当にしたいことをして生きたい。
 

そう思ったら
「文章を書いて生きていきたい」
という、小さい頃からの夢を
思い出しました。
 

お金の問題

そうした気持ちの変化とは別に
現実的な問題として
癌の治療には
お金がかかります。

自分はがん保険に入っていたので
それが役立ちました。
皆さんにも入っておくことを
お勧めします。

というのも
癌の治療中は
身体のしんどさだけでなく
治療のこと、退院後のこと
仕事のことなど
考えなくてはいけないことが
沢山あるからです。

その上、お金の心配まで
しなくてはいけないとなったら
相当しんどいです。

がん保険に入っておけば
少なくともお金の心配は
しなくて済みます。
 

もう1つ役に立ったのが
健康保険の「高額療養費制度」です。

この制度については
こちらの記事も参考にしてください。
【1分で学べる】生命保険無しでも手術代が○万円!?知らないと損する高額療養費! 

癌になると、落ち込んだり
パニックになってしまうと思いますが
がん保険や公的医療保険を上手に使い
乗り越えましょう。

申請などの手続きは
家族などに頼んでも良いでしょう。

また、申請に必要になるので
診断書や領収書はなくさず
保管しておきましょう。
 

復帰後

数ヶ月後、職場復帰した筆者を
同僚は表向きは優しく迎えてくれました。

しかし、自分が休んでいる間
「こんなに休むなら辞めさせて
新しい人間を雇え」
という声が社員の中から上がったと
後に知りました。

モアイ
治療中も仕事のことを気にかけてたのに、それはないよ…

迷惑をかけたのは事実ですが
正直、ショックでした。

自分がどれだけ
仕事のことを気にかけようが
会社での自分の価値は
その程度だったのだと
思い知らされました。

結局、復職後、1年半ほどで
自分はその会社を辞めました。

1年半の間に
「書く仕事」を見つけ
その仕事と両立できる会社へ
転職した為です。
 

まとめ

筆者は今も
「文章を書いて生きていく」
という夢の途中にいます。

一方で、再発のリスクも
抱えています。

ですから日々
無駄にしないよう生きています。

癌になることは
「アンラッキー」ではありますが
「ゲームオーバー」ではありません。

むしろそこからどう生きるか
だと思います。

もし癌になったら
落ち込むでしょうが
一度冷静になり
自分の仕事や人生を見つめ直しても
いいかもしれません。

そうすればきっと
希望は見つかるはずです。