1分で読める【教えて!モアイくん】所定休日と法定休日の違いとは?

日曜の朝からモアイくんが

何やらぼやいています。

どうしたのでしょう?

モアイ
休みなのに仕事なんだよ〜(泣) こんなのお金多めに貰わなきゃやってられないよ!

 

あらら。

でもきっとこうしたことは

社会人の皆さんなら経験がありますよね。

 

そしてモアイくんの言う通り

休みの日に働くなら

いつもより割増しでお金をもらいたいですよね。

けれど実際、休日出勤するとどれだけ賃金が割増されるのか

正確に把握している人は少ないのではないでしょうか。

 

そこで今回は

休日出勤の賃金について説明します。

1 休日の区分け

まず、一口に休日といっても

休日には大きく分けて

「法定休日」「所定休日」

2つがあります。

 

それぞれ性質が異なり

どちらの休日に出勤するかで

割増賃金も変わってきます。

1-1「法定休日」と「所定休日」の違い

法定休日

使用者は労働者に対し

少なくとも週1日休日を与えることが

労働基準法第35条で定められています。

このように法で定められている休日のことを

法定休日といいます。

所定休日

所定休日は、法定休日以外に

企業が労働者に与える休日です。

モアイ
土曜を所定休日、日曜を法定休日にしている会社が多いね

 

1-2割増率の違い

所定休日と法定休日の割増率は

以下の通りです。

所定休日

1.25倍の時間外手当が適用されます

※「1日8時間、週40時間」(法定労働時間)働き
さらに所定休日も出勤した場合

法定休日

1.35倍の休日手当が適用されます

モアイ
法定労働時間以上働いたら所定休日でも割増されるんだね。

そうです。

しかし逆を言えば

法定労働時間に達していなければ

所定休日に出勤しても

割増はつきません。

 

たとえば、月曜日から金曜日までに38時間働き

所定休日の土曜日に5時間働いたとします。

このとき、土曜日に働いた5時間のうち

2時間は法定労働時間内のため

割増がつかないということです。

モアイ
なるほど…じゃあ法定休日はどうなの?

法定休日の出勤に関しては

法定労働時間に関係なく

出勤したら割増になります。

 

実際に、具体的な例をあげ

割増賃金がどのように計算されるか見ていきましょう。

 

【条件】

  • 1時間あたりの給与は2000円とする
  • 土曜日を所定休日、日曜日を法定休日とする
例1 週の法定労働時間40時間を超えて土日に8時間ずつ働いた場合

①土曜日(2,000円×8時間×1.25=20,000円)

②日曜日(2,000円×8時間×1.35=21,600円)

①+②=41,600円

割増された賃金は2日間合計で41,600円となります。

 

例2 土曜日の20時から日曜日の6時まで徹夜で働いた場合
※土曜日の労働時間は全て法定時間外労働とする

この場合

まず時間帯をいくつかに区切って

考える必要があります。

①土曜日(20時~22時)→2,000円×2時間×1.25

=5.000円

②土曜日(22時~24時)→2,000円×2時間×1.5(時間外労働+深夜労働)

=6.000円

③日曜日(0時~5時)→2,000円×5時間×1.6(休日手当+深夜労働)

=16.000円

④日曜日(5時~6時)→2000円×1時間×1.35

=2.700円

➀+②+③+④=29,700円

割増された賃金は合計で29.700円となります。

モアイ
22時~翌5時までは深夜労働扱いで割増率がアップするんだね

2振替休日と代休の違い

休日出勤した代わりの休日として

振替休日と代休があります。

どちらも同じように感じられるかもしれませんが

この2つには賃金計算上

大きな違いがあります。

 

その違いはそれぞれの休日の扱いの違いからきています。

振替休日

振替休日は、その名の通り本来の休日を

別日と入れ替えることです。

そうすると、本来の休日が通常の勤務日となるため

その日に出勤しても休日手当はつきません。

 

ただし、振替休日が翌週になったりして

結果的に休日出勤した週の総労働時間が40時間を超えた場合は

時間外労働として1.25倍の時間外手当が適用されます。

モアイ
休日手当はつかないけど、時間外手当がつく可能性はあるってことだね

代休

代休は単純に休日出勤した代わりに

別の日に休むことです。

 

この場合は休日に働いたことに変わりはないため

法定休日に出勤したなら休日手当が適用されます。

所定休日に出勤した場合でも法定労働時間を超過していれば

時間外手当がつきます。

 

なお、振替休日も代休も法令上の制度ではないため

取得時期などを決める権限は会社側にあります。

3非正規雇用でも割増しは適用されるのか

パート、アルバイト、契約社員

いずれも休日出勤の手当、割増率は正社員と同様です。

ただし派遣社員の場合は

その社員と派遣元との間で36協定が結ばれているかを

確認する必要があります。

モアイ
36協定ってなに?

 

36協定とは簡単に言うと

「時間外労働や休日出勤を行えるようにするための協定」

のことです。

派遣で働いている方は

自分が派遣元と36協定を結んでいるかどうか

一度確認してみましょう。

モアイ
ちなみにフレックスタイムで働いている人はどうなるの?

 

フレックスタイム制で働いている人も

休日出勤した場合の手当や割増率は

正社員と同様です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は休日出勤について

休日の種類や割増率について説明しました。

 

今回の記事を参考に

休日出勤が多い人は自分でも記録をつけておき

きちんと給与に割増しを含め

反映されているか確認するようにしましょう。