1分で読める【教えて!モアイくん】ワークライフバランス重視の働き方に潜む罠とその対処法!

コロナ禍を受け、仕事において、ワークライフバランスを重視する人が増えてきています。
プライベートを充実させることこそ、仕事にも意欲的に取り組めるというわけです。
しかし、こうしたワークライフバランスを重視した働き方は一見理想的ではありますが、思わぬ罠が潜んでいます。
その罠に嵌るとワークライフバランスどころか、自身の働き方を見失いかねません。
今回はそんなワークライフバランス重視の働き方に潜む罠と、その対処法についてお伝えします。

【1】日本社会は長い間“ワーク”重視だった

今でこそ市民権を得ているワークライフバランス重視の働き方ですが、高度経済成長期やバブルに象徴されるように、長い間日本社会は“ワークライフ”重視というより、“ワーク”重視の社会でした。
家族や自分を犠牲にしてでも会社のために働くことが普通でしたし、そこに価値が置かれていたのです。
ワークライフバランス重視という考え方は、そうした時代の反省や反動でもあるわけですが、社会や会社というのはそう一気に変わるものではありません。
厳に、今でも会社のために身を粉にして働くことに価値を感じる人もいますし、そうした価値観を否定することはできません。
つまり、現代は1つの会社の中で、ワークライフバランス重視や、仕事ややりがい重視、あるいはプライベート重視など、価値観の多様化が起きているということです。

モアイ
必ずしも会社の中でワークライフバランス重視派が多数派なわけではないということだね

そうです。
たしかに、ワークライフバランス重視の働き方は昨今、支持されてきていますが、全ての人がそうした働き方をしているわけではありません。
また、人によってワークライフバランスの丁度いい“バランス”は異なります。
そこにワークライフバランス重視という働き方の罠があります。

モアイ
人によって仕事とプライベートの丁度良い割合って違うもんね

ですから、同じワークライフバランス重視の人同士でも、仕事重視に見えたり、プライベート重視に見えたりすることがあるわけです。

【2】働き方の多様な価値観が生むあつれきとジレンマ

会社というのは一艘の大きな船です。
その船内に1章で述べたように多様な働き方の価値観を持つ船員達が乗っています。
しかし船は一人一人の船員の価値観がどうあれ、利益追求という1つの目的に向かって突き進んでいきます。
その時、船の中ではどういったことが起こるのか。

仕事重視の人は当然、船を進ませるために目まぐるしく働くでしょう。
こうした船員は船長である社長や経営陣にとってはありがたい存在で、船の中で一定のポジションややりがいを得られるでしょう。
その反面、激務ゆえ、身体を壊すなどのリスクもあります。
さて、そんな仕事重視の船員の横で、時間になるとさっさと持ち場を離れて休む船員や、自分の仕事しかやらない船員がいたらどうでしょう?

モアイ
ちょっと面白くないかもしれないね

そうですよね。
いってしまえば、こうした仕事重視の船員が少し反感を抱くような船員こそ、ワークライフバランス重視の船員というわけです。
そして、ワークライフバランス重視の船員自身も、近くに身を粉にして働いている仕事重視の船員がいたら、自分の働き方に迷いが生じる可能性があります。

モアイ
なんか、自分がさぼっているような感覚になるよね

このように、現代では仕事に対する価値観の違う者同士が1つの会社で働いていることにより、社員同士の軋轢や葛藤が生まれやすくなっています。
自分の人生を豊かにするためのワークライフバランス重視という働き方が、結果的に迷いや軋轢を生じさせるとしたら本末転倒です。
そうならないためにはどうしたら良いのか、次章以降で述べていきます。

【3】ワークライフバランスのバランスの中身を充実させる

仕事に対する異なる価値観を持つ人達の中で、ワークライフバランス重視という働き方を貫くためには、その中身を吟味する必要があります。

モアイ
中身?

そうです。
たとえば、仕事重視の人が自分より余計に仕事をしている時、代わりに自分は何をするのか?それは自分にとってどんな意味があるのか?そうしたことを、次の2つの項目に沿って考えてみることです。

  1. それは自分の人生にとってどんな意味があるのか?
  2. それは自分のキャリアにとってどんな意味があるのか?

まず、それをやることが、自分の人生にどんなプラスの価値や意味があるかを考えましょう。
その上で、それは仕事量をコントロールしてでもやることなのか、それをやらなかったら仕事のパフォーマンスにどう影響するのかを考えてみましょう。
その結果、やはり自分にはそれが大切だと思えば、そのための時間を取ることに躊躇はなくなるはずです。
また、それをやることが自分のキャリアにとってどんな意味や価値を持つかについても考えてみましょう。
もし今後のキャリアにとって重要なことなのであれば、多少、今の仕事を抑えることになっても継続すべきでしょう。

モアイ
でもさ、そうやって考えることで自分の中の迷いは取れても、周囲の理解や反感がなくなるとは限らなくない?

そうですね。
では、周囲との軋轢についてはどうするか、その対処法について次章で述べましょう。

【4】制度を活用し仕事に対するスタンスを見える化する

ワークライフバランス重視の働き方も、仕事重視の働き方も、どちらも“考え方”という目に見えないものをもとにしています。
そのことが、誤解や軋轢を生む原因になっています。

モアイ
周りがどんな価値観で働いているかなんてわからないもんね

こうした誤解や軋轢を生まないためには、制度を活用して自分の仕事に対するスタンスを見える化してしまうのが一番です。
たとえば、大切にしたい趣味の習い事、キャリアアップのためのスクールなどで、どうしても定時で上がりたい曜日があるのであれば、会社にそのことを公に認めてもらいましょう。
あるいは子育てがある場合は、時短制度を使うといいでしょう。
他にも、副業などにより力を入れたい場合なども働き方を会社と相談すべきでしょう。
要するに、個人の考え方を会社との雇用契約という公のものに落とし込んでしまえば、周りからのあらぬ誤解や反感を避けられるというわけです。

モアイ
あの人はそういう働き方で会社と契約しているから、で済む話だもんね

もちろん、そのためには会社の協力が不可欠です。
ワークライフバランスを重視するというのなら、自分の仕事に対する考え方について会社と話し合い、理解してもらう努力をすべきでしょう。

モアイ
周りの人と気持ち良く働く為にも大切なことだよね

まとめ

ワークライフバランスを重視した働き方はこれから先、より主流になっていくでしょう。
だからこそ、今回の記事を参考に、自分の軸をしっかり持ち、周囲や会社と上手く協調しながら働いていくことが大切です。