建設業の【ワークライフバランス】とは?これから建設業で働くあなたへイメージと誤解を解説!

小学生がなりたい将来の夢、かつては「大工」はトップ5に入るほどの憧れでした。

最近の調査(日本FP協会:小学6年生「将来就きたい職業」)でも建築士9位、大工16位と高い人気を誇っています。

ですが、就職で選ばれにくい理由はワークライフバランスで出遅れているイメージを持たれている面もあります。

では、建設業の現状についてご紹介します。

建設業へのイメージとは

建設業といえば「キツい、汚い、危険」の3K があげられます。

休日も週休1日が当たり前で、野外労働の職場というイメージがあるのではないでしょうか。

実は誤解やイメージだけが先行してしまっているケースも多くあります。

危機感をもつ建設産業

少子高齢社会の中、あらゆる産業では次の担い手不足に悩んでいます。

建設業は特に苦戦している産業の1つと言えます。

中小企業の若手経営者懇親会などでは「働き方を変えていかないと先がない」と話題にあがり、危機感は年々増しているようです。

もちろん、国や建設大手ゼネコンも人手不足によるプロジェクトの遅れ、建設費用の上昇に頭を悩ませています。

特に県や市町村といった地方自治体は、生活インフラや災害時対応という面でも建設業の存在は欠かせません。

産業全体としての環境改善へ

建設業の裾野は広く、世界で展開するスーパーゼネコンという数万人規模から、ハウスメーカー、1人親方まで存在しています。

建設業の構造はピラミット構造と言われており、お客様からお仕事を直接頂く元請業者、そして元請業者から「内装」「躯体」「外構」など専門に応じて下請業者に仕事が発注されます。

歴史的に国や元請の建設業者は「この条件を満たさないなら発注をしない」と、発注に条件を付けることで下請業者をコントロールしてきました。

ワークライフバランスについても同じように条件として、産業全体として改善を進めています。

ワークライフバランスの現状は?

肉体的にキツいの?

仕事で疲れ切ってしまっては、プライベートも充実はしませんよね。

建設業の現場はキツいと言われますが、それは職種、工種、ポジションで大きく変わります。

設計、事務関係はオフィスワークが主体で負荷は低いでしょう。

一方、現場作業員は野外で働くことが多く寒暖に影響を受けます。

特に夏場は熱中症の危険もあるため、温度計などによる現場管理を始めとして、送風機、空調服、休憩室の導入や休憩時間の確保など対策が取られています。

重量物や作業面でのキツさは手作業が多い場合は感じやすいです。

ですが、主な作業は効率向上のためにオートメーション化が進んでおり、手作業の比率は低くなってきたのが現状です。

もちろんまだまだ手作業もありますが、将来的には手先の器用さや筋力よりも「いかに機械を上手く扱えるか」の方が重要性は高くなるでしょう。

残業は多いの?

現場作業員(技能職)

残業時間は全産業平均と比べて少なめです。

野外作業のため暗くなると作業がしにくく、安全面でもリスクが高まるからです。

現場までの移動時間も自宅からの直行直帰とする会社も多く、全体の拘束時間も減少させています。

現場監督(技術職)

残業が全産業平均より多くなりがちと言われています。

日中の現場作業指示に加えて、測量、写真整理や書類作成など管理業務があるからです。

数現場を掛け持ちしている人もいるでしょう。

しかし、近年はIoT化やソフトウェアの発展スピードが速く、10年前と比べると5分の1程度の時間で終わる業務が増えています。

現場指示をしながら、専用タブレットで管理業務を同時にしてしまうケースもあります。

それに伴い、残業時間も大幅に減少する傾向にあります。

17時30分頃には誰も残っていないという会社もあるようです。

週休2日制の浸透

「週に1日休みが当たり前」というのは古くなりつつあります。

大手ゼネコンやハウスメーカーは週休2日が投入され、現場そのものも作業は行われません。

元請が動かなければ、下請業者が動くわけにはいきません。

国や地方自治体も「週休2日制」を条件とするものが増えています。

会社はその工事を担当する者の勤務記録の提出を求められることもあります。

土日も働いているというのは誤解?

建設業者は土日に働いているのは理由が2つあります。

1つは雨が降って休んだので土日に出勤している場合です。

これは休日の振替となっているだけですよね。

もう1つは、建設業には繁閑の差があるからです。

暇な時期には週3日休みや有給休暇を取り、忙しい時期には出勤日数を増し、年間トータルで休日を調整する努力をしています。

子育て支援は?

古い男社会と言われる建設業ですが、育児や介護面での働きやすさ向上にも取組んでいます。

「建設業で働く女性の増加」というテーマをきっかけとして、男性でも育休を取りやすい環境が少しずつ生まれてきました。

次の産業の担い手である20代~30代は「男が育児に参加するのは当たり前」という価値観で育っているのも背景にあります。

まとめ

少子高齢社会が進み、担い手不足に危機感がある建設業はワークライフバランスの改善に取組んでいます。

オートメーション化やIoT導入により、労働時間の減少や休日の確保を進めようという風潮も強くなってきました。

課題もまだ多いですが、子どもたちが目指したいと思う、働きやすい環境へ進んでいるのです。