派遣社員としてお仕事に就かれている方によくご質問を受けるケースがあります。
「労働災害」が起きた時は、派遣社員でも適用されるのか?
今回はそんなご質問を受けたので簡単に解説致します。
目次
そもそも派遣社員に労災は適用されるのか?
「派遣社員として働いている際に、労働災害に合いました。派遣社員でも適用されるのでしょうか?」
という質問をよく労働者の方から受けることがあります。
結論、雇用形態に関係なく「雇われている」以上、労働災害は適用されます。
もし、派遣会社に「派遣社員は労働災害が適用されない」と言われた場合、完全に違法です。
「派遣」も十数年前よりもはるかに「法律」が厳しくなりました。
労働災害に問わず、未だにそういう派遣会社があるのであれば、即罰則対象ですね!
申請は派遣先と派遣元のどちら?
次に、こういった質問もよく受けます。
「労働災害は派遣先(就業している会社)と派遣元(派遣会社)どちらにお願いすれば良いの?」
あなたが派遣社員で働いている場合、「雇用」されているのは派遣会社です。
諸手続きは派遣会社へ依頼してください。
因みに
「派遣会社が労働災害用紙を準備してくれない」
とご相談を受けるケースもありますが、基本的に労災保険の諸手続きは原則「労働者本人」もしくは「そのご家族」等がご準備します。なので、派遣会社からの労災用紙を待たずとも、ご自身で行った方がスムーズであったりします。
ただ、大抵の場合、会社が代行で行ってくれるので、”対応してくれない”場合は派遣会社を変える信号が出ているかもしれませんね(笑)
これからご自身で申請しようと考えている方は、参考までに厚生労働省のリンクを貼り付けておきますのでご活用ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/rousai/index.html
当社は労災保険に加入していない!はありえない!
先ほど記述したように、最近では労働者派遣法の改正などによって、昔よりもはるかに法律が厳しくなりました。
その為、適正に運営していない派遣会社は「OUT!」です。
しかし、ごくたまーに!相談を受けることがあります。
「私は、株式会社〇〇という派遣会社でお仕事をしています。労働災害にあった際、『当社は労災保険に加入していないので、国民健康保険を活用してください』と言われたのですが、そういった事ってあるのでしょうか?」
結論、ありえません!!
ここではその内容について記載はしませんが、一部の内容によっては労災保険加入の強制をされないケースもあります。
ただ原則「一人でも従業員を雇っている事業所は加入しなければならない」ので、「労災保険に加入していない」はありえませんよね。
まだあるんですね、適正に運営されていない会社・・・。
派遣会社選びにも注意してください。
労災が認められないケースも・・・
とはいえ、労災として認められないケースも過去にいくつかあります。
労災には種類がいくつかあります。
例えば「業務災害」や「通勤災害」、「第三者行為災害」などなど。
「業務災害」は、業務との「因果関係」が認められた時に、認定されます。
この因果関係が証明できない際は、労災として認められないケースが生じます。
では、過去にどのような内容で認められなかったかを簡単に紹介します!
事例1:腰痛での労働災害が、「持病」であることから労災とは認められなかった
過去に「事例1」で認められなかったケースがあります。
業務上で行った際に腰を痛めた訳でなく、前から持病として持っていた腰痛が再発し、働けなくなりました。
しかし業務で発生したという因果関係が確認できなかった為、労災認定はされませんでした。
事例2:仕事の帰り道に友達の家へ立ち寄り、帰り道で事故。労災とは認められない
このケースはよくご存知なのではないでしょうか?当然といえば当然です。
あくまでも通勤ルートでの事故が「通勤災害」として認められるので、帰りに友人宅へやスーパーへ買い物などは、認められません。
それでも派遣会社に対応してもらえない場合は即相談!
最近では少なくなりましたが、未だにそういったブラックな派遣会社もあるそうです。(そもそも労災が起きている派遣先にも対応義務がありますので、その場合派遣会社だけでなく派遣先も辞めることを検討しても良いかもしれません)
もし、どれだけ話をしても対応してくれない場合は、専門機関へ相談しましょう。
派遣会社へ相談
他の派遣会社へ相談してみることも一つです。
先ほどから述べているように、ブラックな派遣会社も今では少なくなってきたように思えます。
なので、別の派遣会社へ登録へ行き、相談してみることをオススメします!
最寄りの労働基準監督署へ相談
手っ取り早いですね。
労災に対応してくれないとなると「労災かくし」として、事業所は罰則を受けます。
公的機関に相談することが何よりです。
社労士や弁護士へ相談
専門的な先生へご相談します。
但し、有料となる可能性がありますので、余程で無い限り上の労働基準監督署へ相談行けば問題無いと考えています。
まとめ
結論として、簡単にまとめると以下の通りです。
- 派遣社員であっても労災は適用される
- 労災対応は原則雇用元である派遣会社が対応
- 自分で申請も可能だが、大抵は派遣会社が代行してくれる
- 事故が起きたらまず連絡する
- 業務との因果関係がわかりにくい場合、認定されない場合もある
- どうしても対応してくれない場合は、専門機関へ相談
まずは、困ったら一人で抱え込まず相談してみてください。
そして何より、仕事での事故が無いことを心よりお祈りしています。