看護師は憧れられる職業の1つでもある一方、激務などから一般企業へ転職する人も多いです。
実際、筆者の友人も看護師の経験を活かし、今は看護専門学校の講師をしています。
彼女の場合、看護師という仕事に愛着がある一方、人に何かを教えることも好きだったため、こうした転職に至ったようです。
彼女のような転職は、看護師から一般企業への転職の成功例と言えるでしょう。
そこで今回は、看護師から一般企業への転職を考えている人に向け、転職するメリット・デメリット、おススメの転職先について説明します。
目次
【1】5年以上は看護師として働くべき
せっかく国家資格まで取って看護師になりながら、看護師以外への転職を考えるということは、それなりに切実な理由があるのでしょう。
しかし、看護師になって5年未満の場合は、転職を思いとどまっても良いかもしれません。
なぜなら、看護師の経験が5年未満だと、転職の際、経験が足りないとされ、評価の対象にならないからです。
どうせ転職するなら、看護師資格とその経験がしっかり評価される形ですべきです。
その点、5年以上、かつ、複数の診療科での勤務があると、一般企業でも即戦力として厚遇されることが多いです。
看護師としての経験を積むという意味でも、将来転職するためにも、機会があれば様々な科で働いておきましょう。
また、転職のことを抜きにしても、看護師になって5年未満はまだ新人の域を出ません。
看護師は新人の数年が一番ハードで、辞めたくなるものです。
激務に加え、覚えることも多く、先輩看護師に怒られる日々だからです。
もし、そうした境遇が嫌で転職したいのであれば、もう少し頑張ってみることをお勧めします。
とはいえ、メンタルを病んでしまいそうな場合は、一度休職し、転職も含め、どうするかゆっくり考えるのも良いでしょう。
【2】看護師から一般企業へ転職するメリット
①生活リズムが安定する
看護師と違い、一般企業に夜勤はほとんどありません。
朝出社し、夜には帰れるため、生活リズムが安定します。
休みも固定の場合が多いため、予定も立てやすいです。
ライフワークバランスを重視したい方や、体力的に夜勤や不規則な勤務が辛い方にとっては嬉しいポイントです。
②人の命をを扱うプレッシャーから解放される
患者さんを元気にすることは看護師のやりがいでもありますが、一方でそれはプレッシャーにもなります。
看護師は、そうしたプレッシャーに常に晒されている為、自覚はなくとも、心身は疲弊していることが多いです。
一般企業へ転職すると、いかに大きなプレッシャーの中で働いていたか、解放感と共に気づくことでしょう。
③身体的な疲労から解放される
看護師は心理的プレッシャーだけでなく、一日中、忙しく立ち働かなければならず、身体的にもハードです。
一般企業へ転職すると、デスクワークがメインになることが多いため、身体的な負担は軽減されるでしょう。
④収入アップが見込める
大企業の産業医など、転職先によっては収入アップが見込めます。
もちろん、看護師も長く働き、役職に就いたり、夜勤を多くこなせばそれなりに稼げますが、その分、前項で述べたような心身への負担も大きくなります。
そうしたことを考えると、同じ額を稼ぐにしても、一般企業の方が心身への負担は小さくて済みます。
⑤新たな出会いと知識を得られる
病院という場所は、ある意味閉じられた世界ですから、看護師として関われる人は限られています。
一方、一般企業であれば様々な部署があり、看護師として働いていては関わることのなかった職種の人とも関わり、共に働けます。
それにより、得られる知見もあるでしょう。
たとえば、医療機器メーカーへ転職すれば、医療機器への知識が深まります。
こうした知見は、将来、再度、看護師として働こうと思った時にも、役立ちます。
【3】看護師から一般企業へ転職するデメリット
看護師から一般企業へ転職するデメリットは、メリットの裏返しと言えるようなものが多いです。
①新たに覚えなくてはいけないことが増える
一般企業では、看護師の世界や、病院内での常識は通じないことがあります。
ビジネスマナーをはじめ、一般企業での立ち振る舞いを覚えなくてはいけません。
また、デスクワークが増えるため、ExcelやWordといったパソコンのスキルも必要になります。
②新たな人間関係に悩まされる
患者さんやその家族との関わりや、看護師同士の関わりなど、人間関係を苦にして転職した場合、一般企業でも同様の問題で悩む可能性があります。
関わる人間が変わるだけで、一般企業でも複雑な人間関係の中で、協力して仕事をしなくてはいけないことに変わりはありません。
ただし、フリーランスで働く場合は別です。
冒頭で紹介した、筆者の友人の看護師から看護専門学校の講師になった彼女がまさにそうで、フリーランスの講師として働いているため、職場内での人間関係といった悩みからは解放されています。
③収入が下がる可能性もある
メリットで、収入増の可能性に言及しましたが、実際、大企業の産業医などの職は狭き門です。
そのため、転職により収入が下がる可能性も高いです。
たとえ収入が下がっても、心身の負担軽減の方を重視したいなら、転職を考えても良いでしょう。
④看護師への復帰は大変
他分野での経験や知識を身につけて、看護師へカムバックすれば、より、患者さんの目線に立った看護が可能になるかもしれません。
しかし実際は、ブランクを経て看護師へ戻るのは大変です。
手技など、技術的な衰えもあるからです。
また、最新の医療知識を一から覚える必要もあります。
【4】看護師からのお勧め転職先3選
①産業医
ある程度大きな規模の企業では、産業医を置いています。
狭き門ではありますが、そういった企業の産業医になれれば、安定する上、収入もアップします。
②医療機器メーカーの広報
看護師の経験を踏まえ、自社の医療機器の魅力を伝える仕事です。
フィールドナースと呼ばれる職種で、平均年収も500万〜600万と比較的高めです。
③医療系人材紹介会社のアドバイザー
看護師を含む、医療系職種への転職希望者へアドバイスを行う仕事です。
まとめ
看護師は誰もがなれる職業ではありません。
にも関わらず転職するというのは、大きな決断です。
ぜひ、今回の記事を参考に、メリット・デメリットも考慮して、後悔のない決断をしてください。