いつも怒っている、いつも怒られている。
思春期って酷くそういう日々ではありませんでしたか?
イライラしたり、反抗的になったり、何かに対して怒っているのだけれど、とにかく怒りをぶつけていたようなそんな想い出。その思春期というのは、ここからここまでですよ!
と明確に決まっているわけではなくて、何となく、気が付けばそんなに怒らなくなったなぁとか、何をそんなに怒っていたのか・・・と思えるようになって、もうその時期は過ぎたのだなと思うもの。
揺れ動く感性の高ぶりで、子どもと大人の間で迷い、その時期を乗り越えていくには、「怒り」という原動力が必要なのかもしれません。
それくらいエネルギーを使うものが怒りという感情です。
冒頭に戻って、いつも怒っているというような上司や同僚など、思い当たる人はいませんか?
「怒り」というのは、大変エネルギーを使うものです。
言い換えてみれば、怒っている人というのは、エネルギーが有り余っている人とも言えますね。(笑)
風邪などをひいて、床に臥せっているときに怒ることはしんどいですし、病み上がりに怒ることがあるととても疲れてしまいます。
実体験として、怒るってパワーがいるもんだなぁと感じたことがあります。
アドラー心理学では、出来事に対して「怒った」のではなく、「怒る」という目的が先に存在したのだといわれます。
つまり、怒ることはある種のエネルギーの発散方法でもある、といえるわけです。
ですが、無意味に怒っても仕方ありません。
例えば、部下のミスに対して怒鳴って改善されるかといえば、改善されないとも言い切れませんが、怒鳴る必要があったかといえば答えは「No!」でしょう。
怒ってはいけない、という話ではなくて、「無意味」に怒る必要がないということです。
先ほどからしつこく、怒りはエネルギーを使うとか、パワーが必要だと繰り返しているのですが、怒りを上手に取り入れるのです。
いわゆる「アンガーマネジメント」と呼ばれる分野になるかと思いますが、ここでは、「怒り」を原動力にして自分の行動に使っていこうということをお伝えしたいと思います。
怒りを原動力に
例えば、「君は、太っているよね。」
と言われるとします。
それを好きな人から言われたりすれば、尚更傷ついてしまいますよね。
ここで
「悲しい・・・私なんて太っているから仕方ない」と思うのか、
「なんて失礼な!絶対にダイエットを成功させる!」
と一念発起するのか。
行動に移してダイエットを始めた場合、怒りが原動力になったパターンですね。
仕事面に関しても、例えば上司から、
「君は、こういう作業がとても下手だ。」と言われたとします。
それに対して、
「自分でも思っていたけれど、下手だと他人から言われるなんて嫌だ!練習して上手になる!」と怒りを原動力にすることができますね。
傷つく必要がない、という意味でもありません。
言われて嫌だと思ったから怒りに変わったのです。
怒りは第二感情と言われますが、傷ついたりするような悲しみといった感情は第一感情と呼ばれます。
その感情が溢れたときに第二感情である怒りがやってくるのです。
人間誰しも傷つくことは嫌ですし、失敗だってしたくありません。
笑われたり、恥ずかしい思いだってなるべくならしたくない。
でも、一生傷つかずに生きていける人間なんてほとんどいません。
その経験があるからこそ、怒りをモチベーションに変えてみませんか。
怒りを恨みにしない
怒りをモチベーションにして原動力にする際、気をつけないといけないことがあります。
それは、「怒りを恨みにしないこと」です。
先ほどの例をとって説明すると、上司から、
「君は、こういう作業が下手だ。」と言われたとして、上司自身を恨むということです。
「上司は、下手だと言ってきた。許せない。」
と思うと、全く別の方向に舵をきってしまいます。
怒りをモチベーションにして原動力に行動することではなくなってしまいます。
怒りをモチベーションにして行動するということは、のちに振り返ったとき、
「あのとき、言われたことがきっかけでこういうことを成し遂げることができました。」
というような方向性のものです。
何度か今までのコラムでもお話しているのですが、活躍している人というのは、ポジティブに物事を捉えます。
誰でも知っているトーマス・エジソンという発明家は、どれだけ実験に失敗しても成功に一歩近づいた、だから失敗は成功だという意味の名言を残しています。
数回の失敗ではありません。何千回という失敗にもめげずに成功だと思えるポジティブな捉え方。
なかなか真似できませんよね。
偉人というのは、そういう真似できない当たり前のことをやってのける人達です。
ですが、その心の癖や物事の捉え方というエッセンスを取り入れることはできます。
つまり、一見ネガティブにみえる怒りですが、それをポジティブに捉えていきましょうというお話です。