古代中国には孫子という偉大な軍略家がいました。
孫子の教えは、「孫子の兵法」という名で国、時代を超えて、現代の世界のトップリーダーに受け継がれてきました。
この教えは、パナソニック創業者の松下幸之助氏、マイクロソフト共同創業者のビルゲイツ氏、ソフトバンクの孫正義社長といった世界のトップリーダーの人生哲学としても知られていることが有名ですね。
今回は、そんなトップリーダーが学んだ孫子の兵法の中で、優れたリーダーが持つ『5つのルール』について簡単に紹介したいと思います。
初めて部下を持つ方、リーダーとして結果を求める方はもちろん、社会人経験の浅い方にも、是非読んで欲しい内容になります。
目次
リーダー5つの条件
孫子は優れたリーダーの条件を語る際、5つの言葉を使いました。
『知・勇・信・仁・厳』
まず、この5つの言葉について簡単に説明をします。
- 知 常に先を予想して、見通す力がある事。
- 勇 実行力、決断力が優れている事。そして、時には退く勇気も持ち合わせる事。
- 信 信念を持った行動、言動が出来る事。
- 仁 部下への思いやり。
- 厳 部下を罰する事。規則を守る尊敬。
『知』『勇』は目標達成の為に必要になります。
『信』『仁』『厳』は組織をまとめる為に必要になります。
そして孫子はこれらの言葉を使い、一つばかりの項目が優れる事の危険性も説いています。
例えば・・・
【勇すぎるは】
必死になりすぎると、視野が狭い。
【知すぎるは】
安全策ばかりで、行動が遅い。
【信すぎるは】
原理に囚われ、柔軟な思想が出来ない。
【仁すぎるは】
他人の事ばかりになり、損をする。
【厳すぎるは】
細かな点ばかりに気を取られ、短気になると他人の術中にはまる。
注視しなくてはならない事はバランスです。
どの項目が欠けてもいけませんし、過ぎてもいけません。
しかし、現代の複雑な組織社会に於いて、孫子の教えを活かす為に『仁・厳』の様に一見矛盾する考えを両立させなくては、最大の成果を上げる事は出来ません。
また、この5つの言葉の中の『厳』については、現代に於いて、ほかの項目と比べると会得が難しいと言われています。
次の章で、その理由と具体的に現代に当てはめた活用法をお話しします。
『厳』を現代に当てはめた活用法
個性が重視され始めたこの現代で部下を思いやり、同時に厳しく指導する威厳を持つ事は、なかなか難しい事です。
働き方改革の波が押し寄せる中で、時として部下への厳しい指導は、パワハラと呼ばれる事や、「現代の若者には厳しい指導は合わない」と言われたり、この『厳』という考えを、身につける機会が少なくなりました。
ではどうしたら『厳』は持てるようになるのか。
その第一歩となるのが、メンバー全員が危機感をベースにした覚悟や使命感を共有する事です。
孫子の時代は、『負け=国が滅んでしまう』状態でした。
その危機感の中で、将軍の威厳のベースとなるのです。
現代の組織で考えれば、
「いま改革を進めないと、この組織はダメになってしまうかもしれない。」
「メンバーで連帯感を持ち、全力で取りかからないと勝ち(最大成果)はない。」
といった強い危機感や使命感を持ち、目標の共有する努力があればこそ、現状維持を望む部下の強い抵抗があっても、改革をなしとげるリーダーの素質を得る事が出来ます。
この思想があればこそ、部下への思いやりと、厳しさをもった行動の両立が可能になるのです。
(注意・当然この考えは全体のバランスの一部なので、ほかの項目が欠けていれば、リーダーとしての言葉は部下に伝わりません。)
まとめ
いかがでしたか?
大切なのはバランスを保つ事です。
現代社会に於いて、ビジネスは様々な形式へと変貌を遂げ、それに伴い自主性や多様性が多く認められる様になりました。
しかし、優れた人格者やリーダーはどの時代でも一定の共通点を持ちます。
優れたリーダーになりたいのなら、どうかこの孫子の教えを忘れないで下さい。
なお、今回は孫子の教えのほんの一部のみ切り取って現代風に解説をした記事になります。
その為、この記事に少しでも興味を持たれたなら、書籍化された教え『孫氏の兵法』を一度読んでみてください。
きっと貴方の人生において、多くの指標を照らしてくれる書籍になると思います。
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