仕事をする上で、職場の悩みはつきもの。
頼まれた仕事を断れなかったり、本当は興味ないけどランチは流行りのパンケーキを食べに行ったり…。
業務に疲れるというよりは、人間関係に疲れていませんか?
そこで今回は人間関係の悩みを解消する社会心理学についてご紹介します。
社会心理学について学ぶことは生きる上でとても役立ちます。
知っているだけで自分や他人を理解し、客観的な判断や分析ができるようになるからです。
その中でも今回は職場で役立つ社会心理学を5つご紹介します。
目次
社会心理学とは
社会心理学とは
『社会の中で生きる人々の心や行動の法則を解き明かし、研究する学問』
のことをいいます。
人は日々無意識のうちに何かを感じたり、行動したりしています。
それらは個人の心理であると同時に社会現象や集団心理であるともいえるのです。
つまり、社会心理学を学べば社会全体の行動心理について学ぶことができるのです。
全ての人に通じる学問なので、人間関係やマーケティングにも役立ちます。
悩み解消 社会心理学5選
では悩みを解消するうえで、知っておくべき社会心理学を5つご紹介します。
- 認知的不調和
- 一貫性の原理
- おとり効果
- 流行りの裏側
- 互恵的利他性
です。
1つずつ解き明かしていきましょう!
認知的不調和
認知的不調和とは『自分の心の中に矛盾を抱えた状態』のことです。
そしてその矛盾を無意識のうちに解消しようとする傾向があります。
例えば、ダイエットしようと思っていながらも夜中にカップラーメンを食べてしまうこと。
ダイエットするという自分と、夜食を食べたい自分が入り混じって矛盾を抱えた状態になっています。
この矛盾をなくすために「我慢するストレスの方が体に悪い」と自分にとって都合のいい言い訳をしてしまうのです。
ダイエットを例に挙げましたが、仕事ではいかがでしょうか?
例えばブラック企業に勤めていた場合「給料は少ないけど、こんなにも頑張っているから辞められない」と思うのが認知的不調和です。
これを『やりがい搾取』といい、頑張っているから価値のある仕事をしていると思い込んでしまうのです。
一貫性の原理
人は自分の行動や性格に一貫性をもとうとする習性があります。
見始めた映画は面白くなくても最後まで見ちゃったり、初対面で優等生キャラと思われると優等生でいなければいけないと無理して頑張っちゃったり…。
行動や言葉など、崩れないように保とうとするのが一貫性の原理です。
これは人間古来の名残であると言われています。
今でこそ一人でも生活していけるようになりましたが、人間が発展する前は集団で群れをつくって生活していました。
集団の中で生き延びるためには信頼関係を気付くことが必要不可欠でした。
そのため裏切り行為と感じ取られる行動や態度は控え、一貫性が備わってきたと推測されています。
仕事上でも一貫性の原理はよく目にします。
例えば何か頼み事をされた時をイメージしてみてください。
大抵の場合、「〇〇さん、ちょっといい?」と一旦聞かれますよね。
そこで耳を傾けてYESの返事をしますが、そうするとその後頼まれる仕事が断りづらくなりませんか?
これを一貫性の原理といいます。
最初小さなお願いをして、そのあと本題を依頼するテクニックで、依頼された側が断りづらくなるのが特徴です。
これは『フットインザドアテクニック』とも呼ばれている主流な心理学の1つです。
おとり効果
おとり効果とは、マーケティングでよく使われる心理学的手法です。
本当に売りたいものを売るために、その他の商品をおとりとして販売することをいいます。
例えば和食屋さんへ行って松竹梅という3種類のランチがあったら、何を選びますか?
なんとなく真ん中の竹を選ぶ人が多いはずです。
和食屋さんの本音は「竹をイチオシで販売したかった」ために、松と梅はあくまでも、おとりでした。
社会心理として人は物事を相対的に比べがちで、真ん中や無難なものを選ぶ傾向があります。
この心理をうまく使ったマーケティング方法です。
流行りの裏側
流行りには社会心理学が大きく関係しています。
なぜなら、流行は人が作り上げるものだからです。
流行りを作る側がいて、どのようなものをどのようなターゲットに向けて流行らせるのか考えて作られることがほとんどです。
人為的に作られた流行りは数か月から数年かけて世間で流行し、そのあとは廃ってしまいます。
流行りを作る側もいれば、流行りに乗っかる側もいます。
人は独自性と同調性の2面を兼ね備えており、状況によってそれらの働き方は異なります。
独自性が高い人には2パターンあり
①流行りを先取りする
②流行りに逆らう
です。
例えばタピオカを例に挙げると①の流行りを先取りするタイプは「タピオカは流行る前から好きだったから飲んでたし」という人々のことです。
そして②の流行りに逆らうタイプは、「自分はコーヒーが一番好きだから、タピオカには興味ない」と流行に目を向けず自分のスタイルを貫く人のことをいいます。
その反面、同調性が高いひとは流行りの内容にこだわらず「流行っているから、とりあえずタピオカ店に2時間並ぶ」人のことをいいます。
タイプの優劣はありませんが、社会現象の仕組みを理解した上で、合理的な判断をすることが大切です。
流行に踊らされず、自分にとって得か損かで考えてみましょう。
互恵的利他性
最後は互恵的利他性です。
人から何かをしてもらったら、恩返ししなければいけないと感じる心理のことを指します。
『ギブアンドテイク』という言葉がありますが、ギブ側に徹する方が結果的に良い方向に向かうというのがこの心理の法則です。
何かを与え続ける人は、その恩を返そうと自然と周りに人が集まってきます。
似た者同士が集まることにより集団で高めあえると同時に、お互い持っていない部分を補い合えるのです。
集団で生きる上で必要なマインドですよね。
合理性を磨いて心理学を活用する
人間関係や職場での悩みを解消する社会心理学5つを紹介しました。
知識は無意識に備わっていくものです。
そして知識は何か決断する際の判断材料になると思います。
「知っている」ことを自分の知識に変え、それらを使って合理的に判断することが社会心理学をうまく活用するポイントです。
適切な判断ができるようになれば生活が豊かになり、幸福度も増すはずですよ。