「他責思考」と「自責思考」という考え方があります。
物事を他人や他のもののせいにしがちな人のことを他責思考、自分に責任があると考える人のことを自責思考と言います。
他責思考の人は、仕事でどんなリスクを背負うことになるのでしょうか?
また、一見いいことである自責思考の人でも、あまりにも自責に偏ると、会社にとってマイナスになることもあります。
今回は、2つの思考について詳しくご紹介します。
目次
他責思考とは
ビジネスのシーンにおいて、他責思考とは仕事でミスや失敗をしたりしたときに、環境や他者のせいにする思考のことをいいます。
この思考を持った人は、「◯◯さんがああしろって言ったから」「こんな環境で、言われた通りの仕事ができるわけない」などと考えがちです。
思い当たるところは、ありませんか?
他責思考は、「自分が原因」と捉えないために、成長するスピードが遅くなります。
また、仕事のミスは環境や人のせいにしますが「自分が改善できる範囲の外にある」と思っているため、改善するために行動に移さない人が多いものです。
そのため、不平不満を言い続けながら、同じことを繰り返すことになります。
こういった思考の人が多くいると、仕事の能力がなかなか身につかないため、生産性も落ちてしまいます。
そのため、研修などでは「他責思考にならないように!」と教育することもあるようです。
自責思考の人のほうが出世する
他責思考の反対は、自責思考です。
自責思考の人は、仕事でなにかミスや失敗をしたときに、自分のせいだと考えます。
「自分の能力が足りなかったから」「あのとき次のことまで予測して動けば、今回のミスは防げたはず」など。
すべてを自分の責任と捉えます。
そして、この思考の人は、同じ失敗を繰り返さないために「次はこうしよう」「足りないスキルを身につけるために勉強しよう」と考えます。
こういった思考のため、仕事の能力は順調に上がっていき、必然的に出世のスピードも早くなるのです。
自責思考に偏りすぎる危険性
ここまでご紹介した内容を見ると、自責思考はいいこと、他責思考は悪いこととして捉えられがちです。
しかし、どちらかが100%いいということは、あまりありません。
自責思考は度がすぎると、自分の責任ではないことまで自分の責任と捉えるようになってしまいます。
「部下があんな失敗をしたのは、自分の教え方が足りなかったからだ」といった具合です。
自分の教え方の改善点を考える、というくらいだったら、いい自責思考と言えます。
しかし「自分がいけなかった」と悩み落ち込むようになると、それは行き過ぎた自責思考になってしまいます。
こういった思考に偏ると、うつなどの原因にもなってしまいます。
単純に、ミスをした部下に注意するだけですむような内容であることも多いものです。
自分が「考えすぎの沼」にハマっているなと気づいたら、自責思考から少し距離をおくようにしましょう。
また、会社側の視点に立ったときにも欠点があります。
それは、自責思考の人は何でも自分の責任と捉えスキルアップに励むため、その人の仕事効率はどんどんあがるけれども、仕事の仕組み自体に改善点があっても、いつまでたっても仕組みがよくならない、ということです。
仕組み自体を改善すれば、どんな思考の持ち主だろうとスムーズにすすむ仕事に変えれば、会社全体にとってはそちらのほうがプラスになります。
そういった機会が奪われてしまうことにもなりかねないのです。
自責思考だと、自分は成長できるけれどもチーム全体は成長しない。
「仕組みがおかしい、仕組みを変えよう」という、いい意味での他責思考に欠けているために起こるマイナス点です。
自責思考と他責思考をバランス良く持ち、いいところを活かそう
他責思考でもよくないし、かといって自責思考に偏りすぎてもよくない。
では、ほどよく他責思考を取り入れることを考えてみましょう。
オススメなのは、他責思考で仕事の仕組みや環境に疑問をもち「自分たちで仕組みを変えよう!」「もっとこうしたらいいんじゃないか」とアイデアを出してみることです。
例えば、「これ、みんな最初は間違えるんだよねー」という仕事ってありませんか?
こういったことは、ぜひ他責思考で改善しましょう。
「みんな間違える」ということは、その仕事の仕組みに問題があることは明らかです。
「みんな間違えるの。しょうがないの。覚えてね。終了」ではなく、仕組みを変えるように上司などに働きかけたり、アイデアを考えて提案してみましょう。
他責思考をうまく取り入れて自責思考も実践すれば、自分も会社も共に成長できますよ。
まとめ
いかがですか?
他責思考だけではもちろん自分の成長につながらないし、かといって自責思考が強くても自分を苦しめてしまいます。
また、会社にとっても良くないことがあります。
バランスの良い思考を持って、自分はもちろん、チームや会社全体を成長させましょうね!