おや?
モアイくんが頭を抱えています。
どうしたのでしょう。
なるほど。
確かに忙しい職場だとそういうこともあるでしょう。
しかし、パニックになっていては仕事は溜まる一方です。
そこで今回は、次々に舞い込む仕事を華麗に捌くための技、タスクシフトについて解説します。
目次
【1】基本的に仕事はマルチタスク
一般に、仕事のやり方にはマルチタスクとシングルタスクがあると言われます。
マルチタスクは複数の作業を切り替えながら同時に進める方法で、シングルタスクは1つの作業を集中してやる方法です。
しかし、画家や作家、職人など、一部のクリエイターや専門職を除き、ほとんどの仕事が程度の差こそあれ、マルチタスクを前提としています。
メインで受け持っている仕事はあったとしても、合間、合間に別の仕事が挟み込まれるのが普通でしょう。
【2】人の脳はマルチタスクが苦手
ほとんどの仕事はマルチタスクが求められるため、別の仕事を依頼される度、今まで行っていた仕事を中断し、新たな仕事に取り掛かり、終わったらまた元の仕事へ戻る、ということを繰り返す必要があります。
しかし、脳はこうした作業の切り替えが得意ではありません。
特に脳の構造上、男性はマルチタスクが苦手とされています。
一見、同時並行で物事を進めているように見えるマルチタスクですが、脳の処理的には、シングルタスクを細かく切り替えているのです。
そして、この切り替えに労力がかかり、切り替えるたび、集中力も削がれます。
こうした脳の仕組みから、『SINGLE TASK』の著者、デボラ・ザック氏など、シングルタスクでの仕事を推奨する人もいます。
しかし、先ほど述べたように、実際の仕事では1つのことばかりやっているわけにはいきません。そこで提案したいのが、タスクシフトです。
【3】タスクシフトとは
タスクシフトとは、脳をタスク(作業)に合わせて切り替えるための方法の1つです。
マルチタスクで能率が落ちるのは、脳がタスクの切り替えに対応するのに時間がかかるためです。
車で言えば、一定のスピードで走っていたところを、一旦停止し、向きを変えて再び走り出すようなものです。
どうしても、元のスピードに戻るまでには一定の時間がかかります。
特に、上司に急ぎの仕事を振られたなど、外部要因によってタスクの切り替えを余儀なくされた場合に、切り替えにかかる時間が多くなります。
そこで、切り替えのタイミングを外部要因ではなく、自分で決めることで、脳の切り替え時間を短くしようというのが、タスクシフトの考え方です。
仕事を頼まれたから切り替えるのではなく、仕事が来たとしても、切り替えるタイミングは自分で決める、ということです。
そうです。
そのように、自主的に切り替えることにより、脳へのストレスが減り、切り替えもスムーズにいくようになります。
【4】タスクシフトを行うためのコツ
タスクシフトの考え方がわかったところで、実際に行うためのコツをお伝えします。
4-1仕事の締め切りを把握する
新たに仕事を振られた際、必ず締め切りを聞きましょう。
それにより、今行っている作業を中断するポイントを決めます。
たとえば、頼まれた仕事が急ぎのものでなければ、切り替えずに、今の仕事をやりきってしまうのも手です。
また、時間がかかりそうな仕事を振られた場合も、下手に手をつけるより、まずは今の仕事を終わらせるべきです。
このように、仕事の締め切りを把握することで、複数の仕事を抱えていても、シングルタスクで作業を行えることがあります。
4-2作業メモを残しておく
マルチタスクで仕事をしていると、1つ1つの仕事の進捗を把握しきれなくなることがあります。
そして、どこまで作業をしたか、確認することも時間のロスになります。
そこで、タスクを切り替える際は、どこまで仕事を行い、何の作業から再開するかのメモを残しておきましょう。
そうすれば、ロスなくタスクを切り替えられます。
4-3タスクのセーブポイントを細かく設ける
タスクシフトの肝は自分でタスクを切り替えるタイミングを決められる点です。
逆を言えば、このタイミングを上手く管理できないと仕事を捌けなくなってしまいます。
ですから、各タスクにおいて、セーブポイント、つまりここまで行ったら一区切りと言えるポイントを細かく設けておきましょう。
そうすれば、すぐに取り掛からなければならないような急ぎの仕事を振られた際も対処できるでしょう。
4-4パーキングロット思考を併用する
比較的大きなタスクはタスクシフトで上手く切り替えて処理できたとしても、メールの返信や、仕事のアイディアや改善点が急に思い浮かんだりと、仕事をしていると細々したタスクも発生します。
しかし、そうした小さなタスクにいちいち反応していては、大きなタスクが進みません。
そこで、小さなタスクはパーキングロット、一旦“駐車場”に停車させておきましょう。
つまり、メモやタスク管理アプリに書き込むなど、忘れないための処理だけして、一旦意識から外す、ということです。
4-5スケジュールに余裕をもたせる
タスクを切り替えて仕事をするには、スケジューリングも重要です。
1日の中で、どのタスクにどれくらいの時間をかけて行うか、ということです。
その際、作業能率の最大化を目指すあまり、タスクの詰め込み過ぎには注意しましょう。
必ず余裕をもたせるべきです。
そうしないと、想定していたより1つのタスクに時間がかかってしまった時など、イレギュラーな事態に対応できなくなります。
また、スケジュールに余裕をもたせておけば、余った時間で、前項で述べた“小さなタスク”をまとめて行うこともできます。
4-6今行う作業の資料以外はしまう
複数の仕事を抱えると、それに伴う資料も増え、机の上が乱雑になりがちです。
そうした状態で仕事を続けていると、資料の取り違えや混入が起きたりと、ミスに繋がります。
ですから、今行う作業に必要な書類以外は一旦、しまいましょう。
関係ない資料が机にあると集中力も削がれますし、整理整頓された机で行った方が作業も捗ります。
まとめ
タスクシフトは様々な仕事が舞い込む職場という戦場を生き抜く為の必須スキルです。
ぜひ、タスクシフトを身に付け、仕事に振り回されるのでなく、襲い来る敵を華麗に倒す剣豪のように、仕事を能動的に、自分の意志で、上手に捌いていきましょう。
そうすれば、やらされ感を感じることなく、忙しい