仕事でミスをした時は、上司に報告するのが基本です。
けれど実際、ミスをした時、報告すべきかどうか迷うことも多いのではないでしょうか。
実際、何でもかんでも報告していては上司の手間を増やすだけです。
時には上司の手を煩わせず、自力でミスを解決することも大切です。
では、報告すべきミスとそうでないミスの違いとは何なのでしょう。
今回はその違いと、自力でミスに対処する場合のポイントについて解説します。
目次
【1】全てのミスを報告すべきではない理由3選
➀上司の仕事が増える
上司は様々な仕事を抱えています。
勿論、部下の失敗やミスの後始末も上司の仕事の内ですが、そうした仕事はあくまで「イレギュラー」なものです。
上司の本音から言えば、あって欲しくない仕事でしょう。
上司の仕事をむやみに増やさないためにも報告すべきミスかどうか、考える必要があります。
➁報告すると安心して思考停止してしまう
ミスを上司に報告することで、安心してしまう場合があります。
ミスの対処とは本来、そのミスをどう挽回するかを考え実行することであるのに、上司に報告して終わり、あるいは指示待ちになってしまうわけです。
ミスはある意味、社会人として成長できる機会でもあります。
それを上司任せにしていては、自分で考えることがなくなり、成長もできません。
➂自分の評価が下がる
当然、何度もミスを報告していれば、仕事上の評価は下がります。
いたずらに自分の評価を落とさないためにも、微細なミスは自分で処理しましょう。
【2】報告すべきミスとそうでないミスの基準
2-1周りへの影響度
そのミスの影響範囲をまず考えましょう。
具体的には、影響が社内で済むのか、社外にも及ぶのか、です。
社内で済むのであれば、上司に話すより、迷惑をかけてしまう担当者と直接話した方が早いでしょう。
社外にまで影響が及ぶなら、上司への報告も頭に入れましょう。
ただ、いつもあなたがやり取りしており、信頼関係が築けている取引先などであれば、上司の判断を仰ぐより、自ら謝罪するなり、行動した方が早いし、正確な対応が取れる場合もあります。
2-2自分の努力や裁量でミスをカバーできるか
ミスをすれば少なからず相手に迷惑がかかります。
この場合の迷惑とは、正確に言うと、「時間的もしくは経済的な不利益」のことです。
その不利益を、あなたの努力や裁量でカバーできるか考えましょう。
あなたが多少残業して頑張れば何とかなることなのか、もしくは、ミスにより値引き要求などをされている場合、それがあなたの裁量で動かせる額なのか、ということです。
2-3最悪のケースが起こる確率
そのミスが引き起こす、最悪のケースを想定し、それが現実となる可能性を考えましょう。
たとえば、金曜に取引先へメールをする約束をしていたのに忘れてしまい、対応が週明けになってしまったとします。
この場合、考えられる最悪のケースとは何でしょう?
信用できないから担当を変えてくれと言われることでしょうか?
いいえ、違います。
むしろ、その程度のことはミスをしたなら覚悟してください。
最悪のケースというのは、信用できない会社だとして、取引を打ち切られることです。
取引先との関係や、担当者の性格、今までの付き合いなどを総合的に考え、最悪のケースに発展する可能性が50%以上あると思えば、報告しましょう。
そこまでいかないと思えば、担当者レベルでの解決を図りましょう。
【3】再発防止策を考える
ミスをしたら必ず再発防止策を考えましょう。
たとえば、先ほどのメールし忘れというミスならば、リマインダーを使ってTODO管理をしていれば防げたかもしれません。
もしくは、リマインダーに入れておいたけど、通知が来た時、他の仕事をしており、後回しにした結果、忘れたのであれば、スヌーズ機能のあるリマインダーを使うか、その場で「あとからやること」としてメモを残すようにすべきでしょう。
このように、ミスの対応とは予防策まで考えて初めて完了したといえます。
【4】場合によっては事後報告を行う
今回は、自分でミスに対応する方法について述べています。
しかし、だからといって、自分で対応できるミスは一切、報告しなくて良いというわけではありません。
自分で対応したミスでも、事後報告が必要な場合はあります。
たとえば2-2で例に出した、値引きを行った場合は、自分の裁量内の額であっても、上司へ報告すべきです。
言わずに後から発覚した場合、そのつもりがなくとも、ミスを隠蔽しようとしたと思われかねません。
ミスしたことが後々、露見する可能性がある場合は、報告しておいた方が無難です。
また、事後であっても報告することで、上司の判断基準を知ることができます。
もしかしたら、自分では報告不要と思ったミスでも、上司には「今度からはすぐに報告して欲しい」と言われるかもしれません。
そうしたフィードバックを受け、自分の判断基準をブラッシュアップすることも大切です。
【5】ミスへの対処法
自分でミスに対応する時の鉄則は、相手に嘘をつかない、ということです。
再度、メールし忘れの例で説明すると、週明けに遅れて相手にメールする際は、素直に謝罪することです。
当たり前のことのようですが、少し知恵の回る人だと、(メールは送ったのですが、こちらのサーバーの不具合で…)など、もっともらしい理由をつけようとしがちです。
そうですね。
しかし、だからといって、ありもしない理由をでっちあげるのは当然NGです。
もし、相手が納得せず、上司などへの報告が必要になった際、ミスしたことより、あなたが先方へ嘘をついたことの方が問題になります。
自分でミスに対応する時こそ、どう対応したかの透明性を確保しておく必要があります。
まとめ
今回はミスは全て報告すればいいわけではないこと、そして自分でミスに対応する時に気をつけるべき点をお伝えしました。
今後、ミスをした時は、自分で対応するという選択肢も残しながら、どうするのがベストか、冷静に判断できるようになりましょう。