「あなたは何がやりたいの?」
よく、迷っている人に聞いてしまう質問であり、自分自身も迷っていると他人から言われる言葉でもありますね。
「何がやりたいのか」を問われると、大抵人は「なりたいもの」を考えてしまうようで、それに対する実現手段がとても限定的で狭い思考に陥ってしまうそうです。
いきなりハードルの高い「なりたいもの」で「やりたいこと」を考えるのではなく、まず自分の好きなことと、得意なことから棚卸しを始めましょう。
今回の参考図書は、ベストセラーにもなり、オリエンタルラジオのあっちゃんのYouTube大学でも紹介された『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』八木仁平著 です。
目次
「好きなこと」と「得意なこと」を考える
好きなことを考える
好きなことというのは、自分の情熱を傾けられる分野のことです。
ずっと成長し続けることができるのが「好きなこと」だそうで、楽しいとか、面白いとか、それをやったり考えたりしていくことで、苦にならないことですよね。
余談ですが、婚活でもお互いの好きなことは何ですかと聞かれるのは、プライベートで過ごす時間というのは、わざわざ自ら選んでしんどいことや苦しいことをし続けているという人はいないのが大半の人だと思うので、共通した好きなことがあると、お互いに苦なく一緒にプライベートの時間を楽しく過ごせるからですよね。
そしてそれを無理なく継続することができるので、成長していきます。
またその成長をお互いに楽しめるという仲間がいる(ここでは婚活の例として夫婦)というのも素敵なことですね。
得意なことを考える
「得意なこと」というのは、自然と人よりも上手くできて、やっていて苦なく心地良いことだそうです。100パーセント全員が持っている才能というのも、この「得意なこと」に入るそうなのですが、「好きなこと」と似ているので、好きなことも含めた得意なこととして説明される場合があります。
しかし、この本では好きなことと得意なことを分けて考えてた方が分かりやすく、整理しやすいと伝えています。
得意なことというのは、仕事でなくても普段から自然とできていて、頑張らなくても無意識にやっていることであり、ストレスがなく、他の人がそのことでできていないのを見ると「どうしてできないの?」と思ってしまうようなことだそうです。
また、ここでよく勘違いされるケースとして、「知識・スキル」が「得意なこと」と混同されやすいそうです。
その見分け方としては、得意なことは生まれつきもっているもの(才能)だそうで、知識・スキルは後から身につけられるものだそうです。
得意なことは、どんな仕事においても活用できるものだそうですが、知識・スキルというのは、特定の仕事において活用可能なものということで、確かに範囲も狭いですね。
スキル・知識ベースで職業を考えてしまうと、選択肢が狭まってしまい、やりたいことに到達できないので、スキル・知識というのも、得意なことから切り離して考えてみましょう。
以上、この2点を踏まえて考えると、「好きなこと」と「得意なこと」が組み合わさった部分に、やりたいことが生まれます。
つまり、やりたいことは、What(何を)『好きなこと』×How(どうする)『得意なこと』の組み合わせで見つけることができます。
この方式で導き出されることは、同じ好きなことを持っていても、得意なことが変われば、やりたいことが変わります。
ですから、今回のタイトルにあるように、「得意なこと」というのが大変重要になってきます。
ここ最近の自己啓発本や、職業本などでは、「好きなことを仕事にしよう」系の本が溢れていて、好きなことって何かな?好きってなんだろう、好きでお金を稼ぐ・・・というような、「好きだけ」を追い求めた内容になっていて、本質的に大切な「得意なこと」という概念が置き去りになっています。
得意なことは、苦なくできることなので、自分自身で見つけるということが難しくもあります。
苦なくできるということは、そこに葛藤がないため、自然とできてしまうことであり、意識をしないという意味で、気が付かないのです。空気が当たり前に存在して吸えるような、そんな感覚です。意識をしないとなかなか深呼吸をして呼吸を整えることをしませんが、日々の健康管理にとっては呼吸がとても大事だということを言われますね。ほとんどそれと同じことです。
自分で気付きにくいという特性がありますから、得意なことを知りたい場合は、自分のことをよく知る友人に話を聞いてみるのも良いですし、この本の末尾にもワークシートがたくさんありますから、興味のある方は是非、自己分析にしっかり活かしてください。
好きなことと得意なことを書き出したり、人に聞いたりして自分のことを整理してみてくださいね。
参考著書:世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方