接客業では避けて通れないのが、お客様やクライアントからのクレームです。
直接対応する現場での仕事は、ときに気が重いものです。
しかし一方で、クレームの対応次第ではお店や企業のファンになってもらえるチャンスでもあるといわれています。
ポイントは「傾聴」の姿勢と対応の手順を知っておくこと。
今回は、相手の話を共感しながら聴き、解決に導くポイントにつてご紹介します!
目次
ポイント①相手の話を最後まで聴く
クレーム対応の導入では、とにかく話を聴くことです。
相手はこちらの対応に不快な思いをしており、それを伝えたいという気持ちでいます。
その気持ちを遮るようなことがないようにしましょう。
たとえ、クレームの内容が相手の勘違いによるものだったとしても、最後まで真摯な態度で聴きます。
このとき意識したいのが「傾聴」です。
「傾聴」とは、相手の心に寄り添い、受容と共感の姿勢を持って聴くこと。
特に、相手が興奮しているときは最後まで丁寧に聴くことを心がけましょう。
ポイント②そういう気持ちにさせてしまったことを謝る
丁寧に聴くことができ、相手の話がひと段落したら、まずは「そのような気持ちにさせてしまったこと」に対して謝罪の気持ちを現します。
誤解してほしくないのですが、クレームを言われたらとにかく謝罪するということではありません。
お客様やクライアントだからといって、クレームをすべて受け入れ謝罪する必要はありません。
ただ、誤解があったにしろなかったにしろ、相手が不快な気持ちになったことは確かです。
そのことに対して寄り添い、謝りましょう。
ポイント③そういう気持ちになったことに共感する
謝罪と同時に大切なのが、共感です。
相手がどんな経緯を経て、今「クレームを入れる」という状況になったのかという「気持ちの流れ」に共感します。
共感するには、最初にご紹介した「傾聴」がとても大切になります。
店や企業として何かを補償をする、などの解決策を提案する前に、ひとりの人間として聴き「そういう経緯で不快な気持ちになってしまったんですね」という共感の姿勢を示します。
ポイント④落ち着いたら事実確認
共感し、傾聴する。
そして「不快な気持ちにさせてしまったこと」を謝罪する。
ここまでを丁寧に行うと相手もだいぶ落ち着き、言いたいことは一通り言ったため、ひと区切りがつきます。
ここまできたら、次は事実確認です。
傾聴をしている最中に生まれた疑問点は、ここで丁寧に質問させていていただきましょう。
ポイント⑤解決策の提案/責任者に引き継ぐ
相手に誤解が合った場合は、丁寧にやんわりと「こういう理由でこうしている」という旨を説明をしましょう。
この際、相手のプライドを傷つけないよう、言葉と表情をやわらかくしておくことがとても大切です。
「決して相手を攻めているわけではない」ということを分かりやすく表現しましょう。
そうした態度でこちら側の説明をすると、相手も自分に誤解があったことを受け入れ、逆に謝ってくれることもあります。
その時は、理解していただいたことに感謝しましょう。
そして改めて「誤解をさせるような仕組みや対応があったこと」など謝罪できる部分を謝罪しましょう。
こちらに明らかに否がある場合は、最善の対応を考えます。
現場ベースで対応できることであれば、最優先で対処します。
相手の怒りが収まらない場合やクレームの内容が大きい場合は、現場だけで対処しようとせずに責任者を呼びましょう。
責任者が不在の場合は
「申し訳ありません。ただいま責任者が不在にしているため、改めてご連絡させていただきます。恐縮ですが、ご連絡先を教えていただいてよろしいでしょうか?」
などと対応しましょう。
この際、責任者が何時頃に対応するかも伝えておくようにしましょう。
クレーム対応時のNG行動
- 言葉を遮る
相手が話しているときに矛盾点が見つかったり、ただの誤解であることが分かっても、決して言葉を遮らないようにしましょう。
遮られることでさらに不快感が増してしまいます。
- 「でも」「しかし」など相手を否定する言葉
相手がお客様やクライアントである以上、否定はしません。
「不快な気持ちになった」相手に寄り添いましょう。
「でも」「しかし」は相手の怒りを増幅させるだけです。
- 長時間待たせる
怒っている相手を待たせることは絶対にNGです。最優先で対応しましょう。
すぐに対応できない場合は、連絡先を伺って折返し対応する旨を伝えましょう。
クレームを前もって防止する
クレームをゼロにすることは難しいですが、日頃の対応次第でクレームの数を減らすことはできます。
以下、クレームを防ぐポイントを簡単にご紹介します。
- お待たせすることになる場合
「●分ほどお時間いただきますが、よろしいでしょうか?」などと最初に伺っておくことで、相手もある程度の時間は納得して待ってくれます。
- 笑顔で感じの良い接客を心がける
日頃から感じの良いスタッフであることを心がけましょう。
それだけで、同じ対応でもよりよく見えるものです。
まとめ
いかがですか?
クレーム対応のスキルを学ぶことで、重い気持ちが少し楽になりますし、仕事も楽しくなります。
また、お客様とよりよい関係を築く礎にもなります。ぜひ、参考にしてみてください。
ただし、悪質クレーマーの場合は企業として対処をしましょう。