日本人の平均寿命は年々長くなり、今や人生100年時代と言われています。
また、時代の変化とともに働き方も変化し、終身雇用という考え方は失われつつあります。
このような時代に注目されるようになり、スタンダードになりつつあるのが「キャリアデザインを描く」ということです。
ひとつの企業で働いていれば安泰な人生を送れた時代ではなくなり、自分自身で主体的にキャリアというものを考えることが必要になってきています。
そこで、今回はキャリアデザインの描き方についてご紹介します。
目次
キャリアデザインとは
キャリアデザインとは、職業を中心とした自分の人生を主体的に描き、設計することをいいます。
現在では、高校でキャリアデザインを描く授業があったり、大学では「キャリアデザイン学部」などが設置されていることもあります。
今の10代や20代の人にとっては、比較的身近なものになってきています。
キャリアデザインを描く必要性
では、なぜキャリアデザインを描く必要性が高くなっているのでしょうか。
理由はいくつかあります。
終身雇用の崩壊
終身雇用が基本だった時代は、わざわざ自分がキャリアデザインなど描かなくても、所属する会社で定年まで真面目に働けば収入は保障され、年金も満足できる額が受け取れました。
しかし、今や一生安泰といえる企業はほとんどありませんし、転職が当たり前の時代になっています。
キャリアをリセットしたりチェンジしたりするチャンスが多くなったと同時に、自分が仕事に対して描く希望や目標をしっかり持たなくてはいけなくなったのです。
人生100年時代の到来
長寿化が進んでいることも一因です。
会社を定年退職しても、その後も何らかの形で働き続ける人が多数です。
現役世代の人が60代70代になる頃には、定年の年齢もさらに上がっているかもしれませんし、「定年」という制度すらなくなっているかもしれません。
もしも100歳まで生きるとして、定年が65歳だとしたら、まだ30年以上も人生が続くことになるのです。
30年もの長い時間、年金や貯金だけに頼って暮らすことは、なかなか難しいでしょう。
また、30年とは何もせずに過ごすにはあまりに長いものです。
そういったときに、キャリアデザインを描くことで人生を金銭的にも精神的にも安定させ、豊かなものにさせるのです。
キャリアデザインを設計してみよう
目標や希望は何か
たった一度の人生の中でやり遂げたい、チャレンジしたいものを明確にします。
「職業」という範囲にとらわれず、住みたい場所や環境、希望のワークスタイルなど、大きなフレームで考えましょう。
その上で、「仕事」上でどんなことを達成したいのかということを明確にしましょう。
スキルの棚卸し
キャリアデザインを描く上で、自分のスキルを整理しておくことは大切です。
すでに持っているスキルを活かして、これからのキャリアを描きましょう。
人に聞いてみる
自分の長所や強みなど、自分で分かっているつもりでも気づいていなかったりすることがあります。
同僚や友だちに聞いてみると、意外なところを評価してくれていることがあるので、ぜひ、「他人に聞いてみる」ということをしてみましょう。
自分の意外な長所に気づかされることがあります。
診断テストを受けてみる
ウェブ上で、自分の性格や特性などからキャリア診断を行えるものがたくさんあるので、ぜひ一度検索してみましょう。
意外な職業に適性があるかもしれません。
本格的に診断したい人は、有料ですがいくつかの診断テストがあるので試してみてはいかがでしょうか。
年代別キャリアデザインの描き方
20代
学生時代から引き続き、自分のスキルや強みを明確にしましょう。
さらに、社会人になって得た新しい価値観や生き方そのものの希望を洗い出し、キャリアに落とし込んでいきます。
30代
社会人としての生活にも慣れ、家族を持ったり家を購入したりするなど、ライフイベントが多くなる年齢です。
20代の頃と比べて、キャリアデザインを描くときに、仕事以外のことを考慮する点が多く出てきます。
とくに、ライフイベントにかかるお金のことを頭に入れて考える必要があります。
40代〜50代
30代の頃から引き続き、ライフイベントを考慮して描きます。
一方、ライフイベントにかかるお金や、今後登場するライフイベントが明確になる年代でもあります。
つまり、ゴールが見えてくるということです。
こうなると、自分や家族のライフイベントと並行して、キャリアデザインも30代の頃より広く柔軟に描けるかもしれません。
若いころよりも明確に、自分のスキルややらねばならないこと、できることが見えるようになるので、その上で、人生の後半にどんなキャリアを積み重ねていきたいのか考えましょう。
まとめ
いかがですか?
キャリアデザインを描くことは、長い人生を金銭面でも精神的な面でも豊かなものにするために必要な設計図になります。
ぜひ、時間があるときにでも楽しみながら描いてみましょう。