出世や収入アップに興味がなく、自分の仕事だけ淡々とやって、それなりにお金が貰えればそれで良い、と考える社会人は一定数います。
そうです。
しかし、給与を払っている以上、会社は社員に給与以上の働きを求めます。
また、営利団体である会社は常に成長を目指して、変化していきます。
現状維持のスタンスはそうした会社の期待や姿勢と相反するものです。
しかし、どうしても前向きに仕事に取り組めない、かといって辞める気もないという人に向けて、会社のお荷物にならないよう、最低限やるべきこと、受け入れるべき変化をお伝えします。
目次
【1】「現状維持」にも変化が必要
仕事における現状維持とは何も変わらなくていいということではありません。
現状維持派の人も、そのことは知っておいてください。
冒頭でお伝えしたように、会社というのは変化していくものです。
その中で働くということは、必然的に変化に対応していくということだからです。
対応できなければ、いずれ、会社にとって不要な人材になってしまいます。
【2】自分の「現状維持」のタイプを知ろう
現状維持を望む人には、理由別に以下の3つのタイプがあります。
まずは、自分がなぜ現状維持を望むのか、どのタイプなのかを確認しましょう。
➀他にやりたいことがある
他にやりたいことがあり、今の仕事は生活の為にしているタイプです。
そうなると、本来やりたいことではないため、どうしても仕事のモチベーションは上がりません。
また、こうした人は、本来やりたいことのために、専門の学校に通ったり、副業をしていたりと、仕事以外のところで労力を使っていることも多いです。
そのため、余計、仕事に身が入らなくなる、ということが起こります。
➁自分の能力に自信がない
自分の仕事の能力に自信がないため、新しい仕事や、難易度の高い仕事にチャレンジすることに後ろ向きなタイプです。
このタイプは、上司などからスキルアップを勧められても何かと理由をつけて断りがちです。
➂仕事が面白くない、面倒くさい
自信がないわけではないし、他にやりたいことがあるわけでもないけれど、新しいことを覚えるのが面倒くさかったり、そもそも仕事自体に面白みを感じていないタイプです。
面倒くさそうな仕事は回避して、最低限自分の仕事をこなしたら、あとは無理せず定時に上がりたいというタイプです。
【3】タイプ別の対処法
では、2章で述べたタイプ別に、どうすれば現状維持のスタンスでありながら、会社にとって有用な人材でいられるかについて説明します。
➀やりたいことと今の仕事のバランスを考える
他にやりたいことがあるため、現状維持派でいる人は、今やっている仕事とやりたいことのバランスを常に考える必要があります。
生活の為に働いているだけ、と思うかもしれませんが、生活の為に働くというのは立派な働く動機ですし、とても重要なことです。
やりたいことに打ち込み、いつかはそれで食べていけるようになるためにも、今の仕事は手を抜かずやるという意識でいましょう。
自分に与えられた仕事をしっかりやるのは勿論、勤続年数やポジションに合わせて時には難しい仕事に自らチャレンジすることも必要です。
一方で、今の仕事を頑張り過ぎて、本来目指すべきことを見失ってしまうのも不幸ですし、本末転倒です。
ですから、自分のできる範囲で難しい仕事にチャレンジしつつ、時間や労力を大きく取られそうなプロジェクト等への参加は見送っても良いでしょう。
そして、このタイプの人は、なるべく早くやりたい仕事ができる部署へ異動するか、会社へ転職しましょう。
それが本人にとっても会社にとっても一番幸せなことです。
➁まず小さなチャレンジから始める
自信がなくて現状維持派でいる人は、能力がないわけではないと思うので、まずは小さなチャレンジをして自信をつけましょう。
いきなり難しい課題や新しい仕事を与えられると委縮してしまうと思うので、まずはサポートメンバーとして参加させてもらうなどして、「やれる」という実感を育てていきましょう。
どうしても不安な時は、周囲に声掛けして助けてもらいましょう。
➂居心地が悪くならない努力をする
他にやりたいことがあるわけでもなく、今の仕事に対するやる気もない。
かといって転職する気もないからなるべく省エネ、現状維持でいたい、一番困った状態ですが、こういう人もいるでしょう。
こうした人の仕事への態度は周りにも気づかれています。
ですから、あまりに怠けた態度を取っていると、周りから煙たがられ、職場に居づらくなってしまいます。
そうならない為に、最低限、自分の部署の動きについていくのは勿論、最低限の仕事しかしていないなら、余裕があるはずなので、積極的に周りの仕事を手伝いましょう。
手伝うだけなら自分の仕事ではないので、気分的に楽なはずですし、言い方は悪いですが、周りに恩も売れます。
逆を言えば、せめてそのくらいはしないと、最低限の仕事しかしないあなたの価値はないということです。
【4】現状維持派でいることのリスク
仕事に対するスタンスは人それぞれです。
全員が仕事に対して前向きな会社などないですし、現状維持派の人がいてもいいでしょう。
けれど、基本的に変化してくことが前提の会社という組織の中で現状維持を望むということは、それなりのリスクがあることも知っておきましょう。
➀出世から遠ざかる
向上心がないのですから、これは当然です。
現状維持派の人は、別に出世など望んでいないかもしれませんが、結婚するなどしてお金が必要になり、いざ出世したい、もう少し稼ぎたいと思っても難しいでしょう。
今まで新しい知識やスキルを獲得する努力をしてこなかったのであれば、転職も厳しいでしょう。
ですから、現状維持でいくならそれはそれで構いませんが、その代わり、他に収入を得る道を作るなど、将来も見据えて、お金のことは考えておきましょう。
➁周りから取り残される可能性がある
現状維持でいいのだと、あまりに消極的な態度で働いていると、周りと知識やスキルレベルに差がついて、取り残される可能性があります。
場合によっては、後輩にも仕事や出世で追い越されるでしょう。
そうなると精神的にも惨めですし、会社の「不要な人材リスト」に入ってしまいます。
まとめ
今回は、現状維持派の会社員に対して、最低限努力すべき点をお伝えしました。
そうした人に対し、積極的になれとはこの記事では敢えて言いませんが、それでも組織で働く以上、変化に対応しながら、時には困難な選択をする勇気も持ちましょう。