「内定が出た!」【労働条件通知書】の見方を知りたい!チェックポイントも解説

転職活動では最終面談までクリアして内定が出ると、多くの場合、企業側から労働条件に関する書類が送られてきます。
書類には賃金に関することや契約期間、就業時間、就業場所、休日・休暇など、働く上でもっとも大切なことが盛り込まれています。
ただ、記されている文言が日常であまり目にするものでないものも多く「これはどういう意味だろう?」と疑問に感じる点もたくさんあります。
今回は、労働条件に関する書類の疑問を解消するための用語解説やチェックすべきポイントについて紹介します。

労働条件通知書とは

労働条件が記載された書類は、一般的に内定が出ると企業側から送られてくる書類です。
名称は「労働条件通知書」「雇用条件通知書」「内定通知書」「採用通知書」などさまざまですが、内容は概ね同じものです。
雇用主は、労働者に対して契約期間や賃金などの労働条件を明示することが労働基準法第15条によって義務付けられています。
入社時に交付する企業もありますが、労働者側としては内定承諾前に確認しておきたい大切な項目ばかりです。
書面が送られてこないようなら、企業に問い合わせて確認しましょう。
労働条件通知書に明示しなくてはいけない項目としては、以下のとおりです。
以下のことが記されているかも確認しましょう。

  • 労働契約の期間に関する事項 
  • 就業場所及び従事すべき業務内容
  • 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
  • 賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く。)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
  • 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
  • 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)
  • その他

出典:労働基準法施行規則 | e-Gov法令検索

分かりづらい用語を解説

書類は普段使わない用語が記されている箇所も多く、理解を誤ってしまうことも起こりがちです。
ここでは、分かりづらい用語について解説します。

週休2日について

「週休2日制」と書かれていても毎週土日が休みだとは限りません。
土日休みが希望の場合は「土日祝日休み」と記載されているかどうかを確認しましょう。

みなし残業について

みなし残業とは、実際の労働時間に関わらず、あらかじめ一定時間の残業を見込み、基本給の中に固定残業代を含めて支払う賃金制度のことです。
営業やクリエイティブ職などの場合はみなし残業がつくことが多いです。

みなし労働時間制について

あらかじめ規定した時間分、働いたとみなす労働時間制度のことです。
業種や職種によっては、定められた労働時間では測れないものがあるために使われる制度です。
このほか変形労働時間制やフレックスタイム制と呼ばれるものもあります。

月例給とは?

基本給に固定手当各種を足した月収のようなものです。
固定手当とは、ジョブ手当や営業手当、役職手当、資格手当など、企業ごと、職種ごとにさまざまな名称の手当があります。

月給と月収の違い

月給とは、基本給と固定手当を合わせたものです。
月収とは、基本給と固定手当に変動手当を合わせたものです。
変動手当とは、月や人によって変動する手当で時間外手当などが含まれます。

書類のチェックポイント

書類でチェックするべきポイントについて解説します。

入社日

入社日の前日までには前職を退職しておくことになります。
入社日までがタイトすぎる場合は、企業側に入社日を遅らせてもらうよう相談しましょう。
現職での引き継ぎや有給消化をしっかり行えるよう対応しましょう。

契約期間

正社員の場合は、一般的に「期間の定めなし」と記載されます。
パートやアルバイト、派遣などは「期間の定めあり」と記載され、具体的な契約期間、契約更新の有無などが記載されます。
それぞれの雇用形態に必要な内容が含まれているかチェックしましょう。

就業時間

始業時間と終業時間、休憩時間、残業の有無などについてしっかり確認しましょう。
労働時間は、1日8時間、週40時間までと労働基準法で定められています。
休憩時間は、労働時間が6時間を超えるときは45分以上、8時間を超えるときは60分以上与えなければいけない決まりがあります。
労働基準法に則っているか確認しておきましょう。

休日

前の項で説明したとおり、週休2日と記載されていても土日休みとは限りません。
疑問点が残るようなら企業に問い合わせる必要があります。

賃金

基本給に固定手当や変動手当などをプラスした賃金が示されているかをチェックします。
このほか、賃金の締め日と支払日も把握しておきましょう。
前職とは支払日が変わった場合、カード引き落としなどの際に残金が足らず困ることもあります。
みなし残業やみなし労働が含まれているのか、別で支払われるのかを具体的に表示しているかもチェックが必要です。
時間外労働に対しては、賃金の割増率が25%以上(月に60時間を超えた場合、超えた時間の労働については50%以上)、深夜労働は25%以上を支払うことが労働基準法第37条で定められています。
法令に則っているかしっかり確認しましょう。
※割増賃金の基礎となる賃金には、規定があります

参考:e-Gov 法令検索|労働基準法 | e-Gov法令検索

疑問点があるとき

労働条件通知書に疑問点がある場合は、遠慮せずに企業側に問い合わせましょう。
転職エージェントなどを介している場合は、エージェントから企業に連絡をしてくれます。
聞きたいことを聞けずに転職を決めてしまうと、後々後悔することにもなりかねません。
疑問点をしっかり解消してから、内定承諾するかどうか決めましょう。

まとめ

今回は、労働条件通知書の読み方について解説しました。
普段は見慣れない用語が多用されているため「理解するのが難しい」と思ってサラッと読み流してしまいそうですが、働く上で大切な内容が盛り込まれている書類です。
ひとつひとつ理解しながら読み進めましょう。
疑問点が残る場合は、躊躇せず企業側に問い合わせましょう。
すべてを納得した上で転職をするかどうか決められるようにしましょう!