「もし、あのときああしていたら違った人生があったんじゃないか・・・」
「若い頃に描いていた人生から、現実は程遠い・・・」
人生の折り返し地点にきた中高年になると、こんな自問自答をしてしまうことがあります。
これ実は、中高年の8割近くが経験すると言われる「ミッドライフクライシス」。
「第2の思春期」とも呼ばれるものです。
「自分の仕事はこのままでいいのか?」
「仕事を変えたい!」と思う原因は、ミッドライフクライシスからくる、あせりかもしれません!
目次
ミッドライフクライシスとは
30代後半から50代の頃になる、精神的な危機のことをミッドライフクライシスといいます。
「中年の危機」「ミドルエイジクライシス」「第2の思春期」とも呼ばれていて、じつに80%の人が経験するとも言われています。
中年期には、さまざまなライフイベントの変化があります。
仕事・健康・家族・プライベート。
これらの変化をきっかけに、「自分の今までの人生は、これで良かったのか?」「もう変えることはできないのか・・・」と自問自答が始まり、ひどくなるとうつ状態になってしまうこともあります。
たとえ変化がなくても、自分のキャリアや人生そのものに先が見えてくる頃。
完全にあきらめられるほど年老いてもいないし、「これからでっかい挑戦をするぞ!」と大きな夢を掲げられるほど若くもない。
そんな不安やあせりが、ミッドライフクライシスを引き起こすと言われています。
この時期は「第2の思春期」とも呼ばれていますが、この名称がいちばん分かりやすいかもしれません。
中高生から20歳前半くらいまで「自分とはなにか?」「どんな人生を送りたいのか?」という自問自答を繰り返したり、何者かになりたくてもがいたりした経験がある人、多いのではないでしょうか。
思春期は楽しい時期でもあるけれど、心の中は悶々としていて苦しくもある。
中年になって、そんな時期がまたやってきたということなのかもしれません。
どんなことがきっかけで起こるの?
ミッドライフクライシスに陥る原因は、何でしょうか?
いくつか代表的なものをあげてみましょう。
仕事
男性の場合は、ほとんどが仕事が原因と言われています。
中年になるまでバリバリと仕事に邁進してきて、ふと立ち止まってみると・・・。
若い頃に思い描いていた理想まで到達できていないことを、実感してしまうときがあります。
「自分はこのまま終わってしまうのか。もう理想の自分にはなれないのか」といった不安やあせりがきっかけとなります。
家庭
女性の場合、手をかけて育ててきた子供が自立したり、思春期で問題を抱えていたりといったことが原因となります。
夫婦間の不和が原因になることも。
プライベート
中年期は、親の介護に直面する時期でもあります。仕事や家庭・子育てなど、ただでさえ忙しい時期なのに、親の介護にまで時間をとられ、自分が疲弊していくことが原因になったりします。
女性の場合は、結婚や出産などのライフイベントを「しなかったこと」、逆に「したこと」、どちらを選択したとしても「これで良かったのか」「今がラストチャンスなのではないか」といったあせりや不安がうまれることが原因になります。
病気・健康
加齢にともない、若い頃のようには動けなくなったり体の不調が増えてきたりすることで、「自分はもう若くない」ことを実感します。
さらに、自分や周りが病気になる確率も上がり、それがきっかけになることもあります。
行動の変化
ミッドライフクライシスに陥ると、加齢による衰えや先が見えてしまうことにあらがうような行動をするといわれています。
男性であれば、突然ジムに通って体を鍛えるようになったり、転職や起業を考え出したり。
行動が派手になるといわれています。
女性はアンチエイジングに励むようになったり、男性と同じように異業界への転職を考えたり、スポーツに目覚めたりという人が増えます。
この時期に離婚をする人も多くなります。
アンチエイジングや体を鍛えることはいいことですが、のめり込みすぎているようなら、自然に訪れる加齢にあらがっているということになり、どこか無理をしているのかもしれません。
離婚や転職など、よく考えるべきことを衝動的にしてしまうことがあるのも、この時期の特徴です。
ミッドライフクライシスをうまく乗り越えるために
人と自分を比べない
SNSなどで同年代の人が輝いている様子を見て、自分と比べて落ち込むことはありません。
SNSは、切り取られた1ピースだけの世界です。
それでも比べてしまうようなら、SNS離れをする期間を持つのもオススメです。
目の前のことに集中する
今の自分ができること、やるべきことに集中しましょう。
不安やあせりを忘れられます。
趣味を見つける
楽しめる趣味を見つけることで、不安やあせりから解放されます。
睡眠をしっかりとる
睡眠はすべての基本。
40代以降は無理をせず、しっかり休息の時間を持つことが大切です。
運動をする
運動をしていると、ふさぎ込んでいた気分も明るくなります。
エクササイズやヨガ、ジョギング、ウォーキングなど自分にあった運動を取り入れてみましょう。
今を受け入れる
「今の自分を受け入れる」ということが大切です。
自分なりに考えて選択し、頑張ってきた人生です。
違う人生を選んでいたとしたら理想に近づいていたのかというと、そうとも限りません。
まずは、今の自分を受け入れ、その上でご紹介したような乗り越え方のアイデアを実践してみましょう。
まとめ
いかがですか?
多くの人に訪れるミッドライフクライシス。
新しいことを始めたくなったり運動に目覚めたりと、悪いことばかりではないように思えるこの時期。
うまく利用して、新しいことを始めてみるきっかけにしてはいかがでしょうか。
一方で、衝動的に「人生を変えてしまいたい」と思ったときには、少し冷静になる時間が必要です。
楽しく前向きに、「第2の思春期」を乗り切りましょう!